WSの遼vsミレニアモンシリーズの最終作です。
〇ストーリー
前作ディーワンテイマーズのラストで、ムーンミレニアモンは共に時間を飛ぶのだと言い、遼を巻き込み自爆した。その結果、遼は過去の世界に、ミレニアモン(ズィードミレニアモンの姿で登場しますが)は未来の世界に飛ばされた。
過去の世界に飛ばされた遼は記憶を失った状態でモノドラモンに出会い、「エニアック(過去の世界のコアコンピューターや世界そのもの)」のところへ案内される。一方ミレニアモンは未来の世界を支配したものの、レジスタンスの抵抗に悩まされていた。そこで、自分だけの世界をゼロから作るため、過去の世界を破壊し、歴史を改ざんすることをもくろむ。それに気づいた「エニアック」は遼とモノドラモンにミレニアモンから守るよう頼む。
ミレニアモンは未来から過去の世界を破壊するためデジモンを次々に送り込み、遼はそれを阻止するため戦った。平行して、様々な世界で無印・02、テイマーズに登場した子供たちのピンチを救い、仲間を増やしていった。その中で遼は徐々に記憶を取り戻していく。しかし、送り込んだ刺客の撃退に成功するも、エニアックの世界自体は徐々に侵食されていった。そして、ミレニアモンが造りだした、人造テイマー(太一、大輔、啓人)によって油断したエニアックは破壊されてしまう。勝ち誇るミレニアモンだったが、レジスタンスが消えなていないことに驚く。エニアックは実は自分よりも先に「アタナソフ」が造られていたこと、それをミレニアモンから守り抜くように伝える。ミレニアモンもそれに気付き、人造テイマーを「アタナソフ」に送り込む。無事「アタナソフ」を守った遼が「エニアック」の世界に戻ってくると、ミレニアモンのいる未来の世界へのゲートが「エニアック」によって用意されていた。
遼は未来の世界でズィードミレニアモンと戦うもまったく歯が立たなかった。ミレニアモンは遼への復讐に燃えており、倒されるごとに強くなっていた。ミレニアモンは戦いで自分を倒すことはできず、遼に対しての復讐の念が消えたとしたら自分は倒されると告げる。そこで、モノドラモンはミレニアモンを弱らせ、自分とミレニアモンをジョグレスするよう遼に頼む。ジョグレス前にモノドラモンは、もしミレニアモンになりそうだったデジタマのまま永久に封印するよう言う。戦いの後モノドラモンとミレニアモンはいなくなり、ひとつのデジタマのみが残されていた。
こうして遼とミレニアモンの長きに渡る因縁に終止符が打たれた。エニアックの世界の戻った遼は「エニアック」からデジタマからは正しい息遣いが聞こえてくると告げられ、物語は終わる。
〇疑問点
・助けた仲間やその世界
ストーリーの途中で遼はアニメで戦ったデジモンに襲われ、子供たちがピンチのところに現れる (例:太一とアグモン→エテモン、ヤマトとガブモン→デジタマモン、賢→キメラモンなど)。
この中で、無印の8人の子供たちとそのパートナーでジモンは全員過去に遼に助けてもらったこと(アノード/カソードテイマー)を覚えています。姿は無印の頃で、特に光子朗はディーワンでの出来事を知っていました。また、賢とワームモンは02の頃の姿をしており(タッグテイマーズやディーワンテイマーズの頃と異なる)、一緒に冒険したことも覚えていました。さらに、大輔のパートナーのブイモンはタッグやディーワンで遼と一緒に戦ったブイモンであることが明かされました。ちなみに、賢以外の02組やテイマーズ組は遼と初対面でした。
これまでも遼と会ったことをアニメ02内で覚えている人がいないのは、記憶を操作されているのではと考察しました。しかし、本作品では遼のこと知っていたので、遼に会った時に遼に関する記憶を思い出す仕組みなのではと考えたのはそのためです。
しかし、アニメ本編ではこれらの相手に遼無しで自分たちで乗り切っていることや、先述のとおり無印の子供たちのピンチシーンは遼に会う以前の出来事なのに、みんな遼のことを知っているなど矛盾点が多いです。
〇最終的に遼はどうなったのか
デジモンテイマーズに登場した遼はアニメ02で賢の回想に登場した遼と同一であるとされているようです。遼がいくつかの世界を移動できるのはまだ納得できないでもないです。
個人的に一番の疑問点は遼の親についてです。最初のアノード/カソードでは遼の両親がデジモンアドベンチャーの世界に確かに存在していました。しかし、アニメのデジモンテイマーズでも遼の父親が登場しました。遼の家族もいくつかのデジタルワールドの間を移動できるのでしょうか。それとも、テイマーズの方の親は本当の父親ではないのでしょうか。
また、アニメのテイマーズに登場した遼はいつの時代の遼なのでしょうか。ミレニアモンとの決着がついた後なのか、まだ決着はついておらず冒険の途中でテイマーズの世界に現れただけなのか。アニメでは遼が記憶をある程度は取り戻していたことやパートナーがいたので、ディーワンよりは後で、ブレイブでの冒険がすでに始まっていたのは確かだとは思いますが。ちなみに、アニメのテイマーズは2001年+αが舞台のようです。
そもそも本作ではミレニアモンを倒した後、遼がどの世界に戻ったのか、記憶をどれくらいまで取り戻せたのかはよくわかっていません。
世界がいくつもあることはアニメでも何度も述べられてきました(エテモンの行った暗黒世界、ダゴモンの海、想いを具現化する世界など)。アドベンチャーとテイマーズのデジタルワールドは根は同じエニアックの世界からはじまり、いつしか分岐してできた平行世界なのかもしれません。デジタルの世界なのでいくつものパターンがあったり、似通った世界があったとしてもあまり不思議ではないですが。
ただし、現実世界は一つのはずなのにいくつものデジタルワールドに同じ子供たちがいるとすれば疑問が残ります(本作で救出した子供とアニメの世界の子供が別ならば、同じ人間が複数存在することになる)。本作で遼が救出した仲間がいた世界も、エニアックが遼の記憶を取り戻すために作った世界なのか、数あるデジタルワールドや分岐によってできたいくつかある未来の一つにたどり着いたのでしょうか。
ブレイブテイマーの中でも、アノードとカソードは平行して存在する世界であることや遼の世界と他の子供たちのいた世界は別であり、人間では他の世界に行くことができないので、デジモン達が遼を助けるよう言われていました。
結局、パラレルワールドでの出来事として片づけるしかないのでしょうか・・・。
感想
前作、前々作とは少しシステムが異なりましたので、説明書無しや攻略サイトが少ない状況で始めた自分は慣れるまで苦労しました。また、さすがに前作・前々作でマヒが強すぎたためかボス相手には効かなく(効きづらいだけかも?)なっていました。しかし、今回は「相手の技を不能にする技」が強く、よくお世話になりました。戦闘で使えるデジモンはアニメの子供たちのパートナーでジモン及びその進化前後に限られています。またデジモンを進化させるのは結構大変で、全員を究極体まで育てようとしましたが諦めました(追記:その後全員究極体にすることができました)。地味に図鑑にデジモンや技の説明がなくなったのも残念です。一度目は終盤になってデータが突然消えましたが、2回目は消えることなく無事クリアできました(怪しいことは何回かありましたが)。ですので、データは多少は消えづらくなっている気がします(保証はしませんが)。このゲームはシリーズの最終作としての意義が大きく、これまでのシリーズをやった人にはぜひお勧めしたいです。
追記
デジモンテイマーズのドラマCDでは遼とモノドラモンが会ったのは、遼がカード大会で優勝した日(相手はルキ)の帰り、夜に上野を歩いていたらデジタルフィールドが現れ、サイバードラモンとデジタルワールドに行くことにしたとのこと。ブレイブテイマーとは全然違いますね。また、サイバードラモンは自分よりも強い力を持った敵と戦うことが宿命としているみたいだが、遼は真なる敵はサイバードラモンの中にいるのではないかと語っています。これはミレニアモンのこと、特に後者はジョグレスしたミレニアモンを表しているのでしょうか? 話がややこしくなる一方です・・・。
○全員究極体にできたので データが消える前の記念に